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EOS Kiss DN


心に唄う”一本道”をゆらりゆらりと歩いていこう

さようなら明日また会えるよう指切りをして!

私が見てきたすべてのこと

むだじゃないよとキミに言ってほしい

YUKI ハローグッバイ



二十歳くらいまで暗がりが怖くて、

電気をつけたまま寝ていたボクも、

気付いたら、

暗くても平気で寝られるようになった。



高校の時、

ボクらの学園祭が終わり、

「一生忘れないだろう」と

実行委員会室のドアを閉めたことを、

つい最近思い出した。



そしてその3年後、

京都大学に入ったボクは、

カウンセリングに通っていた。



専門は物理だったけど、

全てのことを知りたいと思った。

そしてあらゆる本を読みあさった。

フェルナン・ブローデルの「歴史集成」

マルクスやマクロ経済学。

プラトン「ソクラテスの弁明」そしてサルトル。

挙げ始めたらキリのない世界の知恵の集積。

底の見えない経験と論証の数々に、

気付いたら、

一日中、目眩に悩まされていた。

どこに焦点を合わせていいのか分からなかった。



なぜか猫と話してみたり、

夢の中に、

過去の偉人が現れて、

ボクの無知を嘲笑って消えた。

まったく意味がわからない。



授業は行きたくなかった。

ボクにとって、人が多すぎた。

バイトを4つも掛持ちしていたので、

やらなきゃいけないことは沢山あった。

でも気付いたら、

自分の携帯を踏みつぶして壊していた。



なによりまず、

自分の精神状態を立て直す必要があった。

一度すべてをストップして、

着地をする必要があった。

そんなときに、

教授にカウンセリングを勧められた。



カウンセリングの先生が言うには、

ボクが最初に訪れたときは

一度も目を合わさずに帰ったらしい。

ただ、

それから半年近く、

通い続けた。



紹介状を書かれたときは、

状況が理解できなくて、

病人みたいじゃないかと、

とにかく泣いた。



カウンセラーの先生は本当に優しかった。

あの時の恩は計り知れない。



ただ、今思う。

なんであんなドンゾコが生まれたんだろう。



あの時の気持ちは、

「責任を全うしなきゃ」



「知りたい」

だけだったはずなのに、

なんでだろう。



いまでも答は出てこない。

ただ、イチ理系のハシクレとして、

「解無し」

も論理的帰結の一つだと、

いまでは分かっている。



「解無し」

ボクは論理という宗教を信じる。

ボクは数字という宗教も信じている。

物理という宗教も信じている。

あれはきっと、

「解無し」だったんだろう。



いまでも、

ボコボコに踏みつぶされた携帯電話は、

ボクの部屋のテレビの前に置いてある。



存在しない解を求めて、

走り続けたあの1年半。

絶対に解けるんだと、

信じてやまなかった当時の感情を、

その携帯だけが表している。
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